001:笑
笑点の時間ですので帰りますってまちをでてとおくまできた(松原なぎ)
こんにちは。
一詠一読でいきたいと思っています。
とりあげさせていただいたみなさまにはトラックバックで報告を。
敬称は略させていただきますこと、どうぞ悪しからず。
■メールから(笑)をぬいてみてきみの笑顔の意味がわかった (月下燕)
かっこわらい、よく使い使われますがこれけっこう意味深な歌ですね。
わたしには笑いながら怒る、そう、竹中直人さんがうかんできました。
メールではこぼれおちてしまう感情にも思いをはせます。
■やわらかなキッシュの微笑なのでしょう二人の育む言葉の川は (行方祐美)
いやぁ、うららかな恋愛の風景の一部で、こう、はにかむ二人が目にみえるようです。
お名前も素敵ですよね。
■不用意に受け取ってきた微笑みを並べて冬の星座にかえる(新井恭子)
還る、でも変えるでも代えるでも多分ぜんぶ正解なんだろうな、と思います。
懐がふかいきがします、とてもかなしい切り口なゆえでしょうか。
■ひきつった笑顔の訳を知るまえに ひとまずちょっと優しくしよう (わだたかし)
数あるのろけ短歌の中で照れと余裕のある笑いですね。
■履歴書の白い吹雪はスーツ着て小窓で笑っている場合じゃない(虫武一俊)
うわー、うわー、時代性を感じます。身につまされます。
■笑われて生きてきました。趣味・特技、特にないです。処女じゃないです。(星野ぐりこ)
上に同じく。(趣味は短歌じゃないのかしら?っちゅーツッコミは無粋でしょうね。)
■それもいい あたしが泣いて絶対に誰かが笑うシステムならば (加藤サイ)
かっこいいなぁ、と口に出してもーた。
泣きと笑いを本当の意味で同列にあつかうっていうのは、できそうで難しいので変にとりつくろわないこの潔さがすばらしいと思います。