008:飾
髪の毛を飾る春雨すきながら君の不在は折り込み済みだ (松原なぎ)
今回気になったお歌たちです。
取り上げさせていただきましたらTBでご報告、もしできていなかったらコメントか伝書鳩でお伝えいたします。(のろしはもう少しあたたかくなってから)
敬称略しますことどうぞ、あしからず。
■飾りつけ終えたパーティー会場の主役は未だに決まっていない (jonny)
不条理シュールですかねぇ?
この後、王様ゲームとか繰り広げられるんでしょうか。
けっこう日常にはこの手の段取り違いが転がってるような気もしますが、パーティなのに…
■昆虫の死骸を飾る部屋のなか抱きすくめられ決めかねている (月下燕)
部屋に遊びに行ったらさめた、みたいなデリケートな瞬間でしょうか。
ロマンチックくださいって多くの女性は言ってるわけですが
ロマンチックにならんかった瞬間はかくも詩的なわけです。
■「雛飾りいつまで出そう」と問う母に「もういいよ」とは言えないわたし (ぽたぽん)
母娘関係はもうそれだけでサスペンスなんですが、
一見普通の会話に思えるこの作品の裏のざらつく現実はもう…
身につまされます。
■今日だってすっぴんですよ 左手の薬指だけ飾ればいいし (ろくもじ)
なんか彼女や奥さんに化粧すんな、っていう男性がある程度いらっしゃるらしいですけど
そういう束縛をうけいれた安心感短歌でしょうか。
結婚てそういうもんなのかしら、わくわく。
■ボールペンのキャップの味を確かめる装飾音符書き足しながら (ひぐらしひなつ)
けっこうひやい味ですよね。
装飾音符は思いつかなかったー。
■お洒落では勝ち目ないからお手紙を一生懸命飾ってみます (天野 ねい)
あああああ、かわいい。
■ハゲかけの君の額を飾(デコ)りたい。(ハゲてねーよって今日は言わない) (キヨ)
デコりたいって(絶句)
結局どの程度のハゲなんでしょうね。
■胸元の飾り釦に触れながら六花を淡く溶かす舌先 (A.I)
いろっぽー!!
■その指に飾られているプラチナはかの有名な永遠ですか? (ノサカ レイ)
今の日本では結婚という制度ったらもうけっこうに崩壊しつつあるんでしょうけど
「婚活」とかいう言葉を聞くとまだまだ結婚すりゃなんとかなるのかと思います。
この短歌はそういう皮肉にも、遠くにいった友達(恋人?)を思う歌にも響きますね。