095:卓

白いものだけを並べた喪失の日の食卓は夕陽を待って(松原なぎ)

(↓20100107追記↓)
 さてお気に入りのお歌たちです。

 取り上げさせていただいた作者さま、どうもありがとうございます。

 敬称略しますことどうぞ、あしからず。

■電卓も手こずるほどの過ちが2で割り切れず余るぼくらに(ジテンふみお

 うまい。

■指先の一部を高原へと変えてあなたの爪は野ざらしの卓(扱丈博

 この得体のしれない説得力はなんだー。

■卓袱台をひっくり返して見てちゃぶだいしゃぶ?しゃぶ?頂戴しゃぶってちゃぶだい(遥遥

 ここちよい狼藉。

■卓上にころんだ爪は色づいてつかむよ夏もぬるい黒子も(Ni-Cd

 「ぬるい黒子」味わい深い一首。