004:疑
疑いの眼をもたない子なんですわたしの友だち泣かさないでね(松原なぎ)
眼=まなこ
お気に入りのお歌たちです。(TB179まで)
取り上げさせていただいた作者さま、どうもありがとうございます。
敬称略しますことどうぞ、あしからず。
■余りにも疑惑の数が多すぎて今日も笑って許してしまう(伊藤夏人)
そういう人だと思ったもんがちです。
や、そもそも勝ち負けではないのやもしれませんが。
■疑えば疑いかえす闇があり手の冷たさで測る真実 (駒沢直)
疑っていう感情は何かに付随することが多いのですがきっちり疑だけを歌う潔さにすーっとしました。
■いつだって疑わない君とこのまま忘れていきたい感情もある(藤野唯)
おお。この感情のカオス。
たとえば「もっと疑って」といういらだち「ああ、この人は疑わないほどしんじているのか」という安心。
それでも「君と忘れていきたい」という感情。にんげんだ。
■うながせばあふれるものを疑ってあなたがたどり着く汽水域(村上きわみ)
ダムは決壊しないまま河は流れるので。
■銀雪にペスは眠ったああ僕が疑うことを覚えた冬だ(理阿弥)
えいえんというものを、信じなくなったわけではなくても。
■それだってあたらしくみなぎるつもりです疑問すら芽吹かせて春晴れ(久哲)
それってどれでしょう(笑)
疑とともに春を、芽吹くことをよみこめるなんてさすが。