005:乗

笹舟を乗っとっちゃった蟻でした海になるまで帰っておいで(松原なぎ)


 お気に入りのお歌たちです。(TB169まで)
 取り上げさせていただいた作者さま、どうもありがとうございます。
 敬称略しますことどうぞ、あしからず。

潮騒の町乗り継げばつと燃ゆるミステリアスな海のゆふやけ(みずき)

 なんてドラマな字面。

■すきなトコどこでもいいってまいったなどこに乗せよかプッチンプリン伊藤真也)

 プッチンしちゃいますか?
 いちごぷっちんですか、ふつうぷっちんですか、どこに乗せたんですか(笑)

■一周のあいだにすべての嘘きえること信じて乗り込む観覧車(富田林薫)

 うそー、観覧車ってそんな機能あったんですね!

■湖のボートに乗り移るみたいに抱きしめられて波が生まれる(藤野唯)

 いきおい!こい!はい!
 すてき!

■15番乗り場の列でバスを待つ 本当はどこに行きたいんだっけ(新田瑛)

 15番だから駅からほどよくはなれてるんでしょうね。
 バス停の列にまじるとほっとしたりします。

■ひらかれたエゴン・シーレに右頬を乗せてまどろむ忌明けの母は(理阿弥)

 新聞読んでるうちにねちゃったのかしら(画集だとおもいよ!)
 生活のなかのそっとしたサスペンス。

■許すこと選んだひとを乗せてゆく湾岸線に虹のあしあと(ふみまろ)

 さようならさようなら、言い足りない事ばかりです。