006:サイン
温室のむこうの雨に弛緩してゆく街のあかりとハートのサイン(松原なぎ)
お気に入りのお歌たちです。(TB163まで)
取り上げさせていただいた作者さま、どうもありがとうございます。
敬称略しますことどうぞ、あしからず。
■見逃したサインを確かめるように昨日の夢のつづきを探す(南野耕平)
みつかったかな?あやふやだ。
■サインなき手紙のやうな海のいろ肋骨の下がまた痛み出す(行方祐美)
きゅっと、しんぞうが。
海からはいつもお手紙をもらう気がします。
■ひとりでは居られぬ夜に手作りの婚姻届にサインをしている(壬生キヨム)
ドラマでしか見たことないけどけっこうパシャパシャの紙ですよね婚姻届。
あいあいがさでいいじゃん、なんておおざっぱなわたしです。
■指が笑う、とんとん、言葉がとん、サインランゲージがとん、踊っているよ(すいこ)
おどりましょ!
■唐突に断ち切られては雨曝し誰がサインをしたわけでなく(瀬波麻人)
だれも悪くないのに花は枯れるし冬はゆきます。
被曝、にまで思いをはせるのはちょっとうがちすぎ?
■(ねむそうな世界に送るささやかなサインのように)鶏卵を割る(村上きわみ)
たまご!せかい!
すてき!
■砂浜でサインを拾う海深く誰かの吐いた銀の水泡(ふでこ)
海からの手紙をまたひとつ拾ったようでうれしくなりました。