004:疑

疑いの眼をもたない子なんですわたしの友だち泣かさないでね(松原なぎ)

 眼=まなこ

 お気に入りのお歌たちです。(TB179まで)
 取り上げさせていただいた作者さま、どうもありがとうございます。
 敬称略しますことどうぞ、あしからず。

■余りにも疑惑の数が多すぎて今日も笑って許してしまう(伊藤夏人

 そういう人だと思ったもんがちです。
 や、そもそも勝ち負けではないのやもしれませんが。

■疑えば疑いかえす闇があり手の冷たさで測る真実 (駒沢直

 疑っていう感情は何かに付随することが多いのですがきっちり疑だけを歌う潔さにすーっとしました。

■いつだって疑わない君とこのまま忘れていきたい感情もある(藤野唯

 おお。この感情のカオス。
 たとえば「もっと疑って」といういらだち「ああ、この人は疑わないほどしんじているのか」という安心。
 それでも「君と忘れていきたい」という感情。にんげんだ。

■うながせばあふれるものを疑ってあなたがたどり着く汽水域(村上きわみ

 ダムは決壊しないまま河は流れるので。

■銀雪にペスは眠ったああ僕が疑うことを覚えた冬だ(理阿弥

 えいえんというものを、信じなくなったわけではなくても。

■それだってあたらしくみなぎるつもりです疑問すら芽吹かせて春晴れ(久哲

 それってどれでしょう(笑)
 疑とともに春を、芽吹くことをよみこめるなんてさすが。

■疑問符の曲がり具合を気に入って書いたそばから山羊がぱくぱく(夜汽車

 黒ヤギさんたら読まずにたべたーーーー!!

 

003:公園

立て!走れまわれはばたけ公園に透けるみどりとまみれて笑う(松原なぎ)


 お気に入りのお歌たちです。(TB179まで)
 取り上げさせていただいた作者さま、どうもありがとうございます。
 敬称略しますことどうぞ、あしからず。

■公園には忘れてしまう爺さんと名前を忘れられてしまう木(飯田和馬)

 そう、知らないっていうより忘れてしまうのですよ、だってみんな名札してるんですもん。

■片隅に砂場は乾く公園の中心が愛を叫ぶときにも(古屋賢一)

 砂場にはえいえんのなぞが埋まっているのです。

■いくつもの言わぬが花がこそこそとつぼみを揺らし夜の公園(笠原直樹)

 まんかいになりますか?

■帰らずに済む旅のこと考へるベンチがひとつ公園にある(野州)

 ずいぶん余韻があります、ベンチはいつもそこにあります。

■水音を浴びてふたりは抱き合へり記憶のなかの上野公園(梅田啓子

 わたしには鳩とクレープのおもひでばかりがあります。

■給食のパンくず鳩にやりながら独りを知らないままの公園(こゆり

 ひとりきりにはなれないものです。

■公園にたつぷりと咲くパンジーのひとつひとつとつながるあなた (春村 蓬

 たたずむひと、いますよね。おはなちゃん。
 わたしは座り込む人なので、どちらかといえばクローバーと仲良しです。

■無造作に置いた言葉を監視する子供が多すぎる公園に(青木健一

 「おい!ぜったい/だれかは見ているぞ」
 うちの近所の公園の張り紙。かなしい。

■だれにでもやさしい春の公園のようなかたちで抱きしめられる(みち。

 あたたかければ、それで、ねぇ?

 

002:暇

しらんぷりなんてかんたんお暇をいただきました(世界失踪)(松原なぎ)

 お気に入りのお歌たちです。(TB195まで)
 取り上げさせていただいた作者さま、どうもありがとうございます。
 敬称略しますことどうぞ、あしからず。

■訊かれれば答えるけれど訊かれない程度の過去を話すほど暇(南野耕平)

 こうやって個人情報がだだもれしてゆくのです、ひまってこわいわぁぁ。

■指先で暇をつぶした箱の中チェルシー柄の鶴が犇めく(伊倉ほたる)

 いつかはなつ日まで。
 すてき!

■「暇だし」と何度つけ加えられても明日あなたと海へ行きます(太田ユリ)

 女子度が高いです。
 太田さんはたぶんはじめましてですよね。
 とても楽しみにしております(ここで言ってもね…)

■人生の長期休暇が人一倍訪れやすい体質なんだ(あみー)

 体質ですもの、あみーさんの言い訳はセンスあってよく口ずさんでます、周りが受け入れるようにちょこちょこ洗脳ちゅう。

■青空と暇とあなたを持てあます午後 沈黙は孤独に近い(田中ましろ)

 わーーーー。 

■「暇つぶし、大歓迎」メールの結び、(笑)と(涙)で迷っています(B子)

 考えれば考えるほどどつぼなのに考えてしまう恋のめくらまし。

■夏。腿に痣あるひとと味わった暇日の宵の温きしたたり(理阿弥)

 おお、ざっくりがかっこいいなぁ!

■(洒落こんだ休暇のつもりだったろう)パラソルのしなやかななきがら(虫武一俊)

 ビニール傘じゃなくってぱらそるですもんね。
 水鳥のくびみたいなはんなりの折れ方でしょう、ああ、せつない。 

■暇ですねえそうですねえって春を恋う中くらいの熊になりたい(わたつみいさな)

 ぽっかぽか。あれ、啓蟄おわってますっけ?笑
 冬眠からはやくさめて。


 

001:春

うめももさくら春まだき目ざめよ、と呼ばわる風がうなじをなぜる(松原なぎ)


 お気に入りのお歌たちです。(TB188まで)
 取り上げさせていただいた作者さま、どうもありがとうございます。
 敬称略しますことどうぞ、あしからず。

■しいこいこいしいこいこいと促せば放物線は春をかたどる(飯田和馬)

 ひみつなのかしら?
 戀は「いとしいいとしいというこころ」ですが「しいこいこい」だとなんだろう。

 (20100302追記↓)
 きのうこっそり耳打ちがきまして「しいこいこい」=「ちー」とか「しーしー」なんですってね。しらなかった。耳打ち感謝です。
 そしたら春にうかれものさんなのかな、まったくの余談ですが「あの」放物線て連続する球体なんですよ、春っぽいね!
 (以上追記↑)

■春コントローラー 君と半分こして玉子かけご飯(あーん)する(久哲)

 コントローラはだれがにぎっているんだ?!
 玉子かけご飯、あーんしにくそうなチョイスと春色がナイス。しあわせきぶん?

■祝福をされたくて買う春キャベツ 今日はどんな話をしようか(藤野唯)

 祝福のおとですよね、春キャベツのはりはり。
 おめでとう、おめでとう、はるですよ!

■飛行船うかぶ春には地球から「天地無用」の貼り紙はがす(梅田啓子)

 宇宙にうかぶ飛行船からみているような、すてき。

■雪国に行くトンネルを反対に抜ければそれが春ではないか(あみー)

 あっははは。ちがう!と言い切れない魅力。

■耳たぶのうしろにできた陽だまりを春と呼ばずにもうすこし待つ(わたつみいさな)

 待つのも寝てたらすぐです、ね。


 
 ☆ちょっとしたおことわり☆
 去年、取り上げさせていただいた方のブログにはTBやCMを残すことを心がけていたのですが
 「むしろ失礼じゃないか、誰か得をするのか、または損をするのか?」と考え出したところよくわからなくなり(笑)今年は走りながら考えていきたいと思います
 もちろん好みのお歌は残しておきたいのでお気に入りピックアップは続けたいですし、素晴らしいものにはすばらしい!と言いたいさんです。
 どうぞあしからず、よろしくお願いします。


 

すのう、きみはなにいろ

 はろー、ついったーでは情緒不安定キャラでおなじみ、まつばらです。
 お元気ですか?めっちゃさむいですね。

 三月になるまで見ないとかいってたくせに今回更新するのは「ケータイ短歌」同人の

 歌クテルさん

 がwebマガジンを発刊するということを聞きつけたからです。(っていうか、メンバーさんのブログを定期的にみてるだけなんですけどね)

 

わたしはずっとモバイルネットを活動の中心にしてきたのですが、ネットと紙の違いということはつきつめて考えたことってありません。
 正直にいえばよい作品はよい作品でそれ以上でも以下でもないとおおざっぱにとらえています。
 そんで歌クテルにはすばらしい書き手さんがそろっていますのでとても楽しみ。

 歌クテルWebマガジン

 ところで寡聞にして知らないのですがウェブを中心にすえた歌人集団さんは他にもあるのでしょうか?教えて、えろいひとーw

 さ、それではまた潜ります。

 少し前からツイッターやってます。
 http://twitter.com/
 calmmyって登録名でふ。
 なんというか掲示板のようなおしゃべりの場ではなくって、つぶやく場として提示されてますねー。つぶやきシローもいます(ふふふ)

 はじめは短歌メモにする予定だったのですが日常のぐちが多くなってまいりました。
 かんたん短歌の募集もおこなわれているというのにふがいない結果ばかりが残っています。
 今日、笹井宏之さんの命日、彼の作品たちがいろんな方の指からつづられているのを見てほっこりしました。

 さてさて、今年の最初の目標、お題募集に参加しました。
 つぎの目標は短歌以外のことなので、それが終わる3月頭までおそらくこちらは見ないと思います。
 それまでシーユー。
 おげんきで。
 ふかぶかおじぎ。

松原なぎ