第2回 21世紀新鋭詩文学グランド・チャンピオン決定戦


 詩が好きなすべてのかたへ。

 応募開始。
 http://mbbs.tv/u/read.php?id=unknowndeux&tid=40

(ピクルスさんの序文引用)
「詩が衰退している」と言われて久しく、同人誌を含む紙媒体からインターネットまで、それは、程度の差こそあれ、残念ながら悲しい事実として横たわっている現況です。
しかしながら、文学的に質が高く、尚且つ、読み手が大切に抱き締めるような詩、再読に再読を重ねては我が子にまで読み継ぐであろう詩は、常に求められていると考えます。
当企画は、新しい詩を公募し、それが柔らかなポエムであれ、密度の濃い現代詩であれ、素晴らしい作品を具体的な形で顕彰するものとして、また、持続性を備えた詩の普遍的なインターネット・イベントとして、更に、より多くの読者を求める書き手の欲求や「ネットで詩を書いても一文にもならないじゃないか」といった不満に対して僅かでも応えるべく、2008年、ささやかにスタート致しました。今回で2回目の開催となります。
活動拠点の如何や、プロフェッショナル・アマチュアの垣根、有名・無名などにかかわりなく、皆さま方の力作の御応募を、心よりお待ち申し上げております。

(以上引用終)

 第一回の受賞作品たちはこちら。
 http://bungoku.jp/grand/2008/

 力だめし、おこづかいかせぎ、理由はなんでも。
 どうぞご参加ください。

 

009:菜

葉っぱっぱ菜っぱ野っぱらうたったり寝たり食べたりくるまったっ、り(松原なぎ)


 ラ行とハ行がかわいくってしかたありません。
 ナ行とマ行もひいきにしています。

 お気に入りのお歌たちです。(TB158まで)
 取り上げさせていただいた作者さま、どうもありがとうございます。
 敬称略しますことどうぞ、あしからず。

■どうしても風に揺られる菜の花のことしか思い出せない別れ(龍庵)

 おわかれの時の相手の表情はみない人でした。
 下句のちょっとした読みにくさも内容にあっている気がします。

■嘘になるまでくりかえした「大丈夫」が紫の野菜ジュースに溶けた(佐倉さき)

 ぶくぶくぶく。ストローにささやいてみてるのかしらん。

■音声がたまに途切れるよのなかを閉じて水菜を茹でた夜な夜な(斉藤そよ)

 水菜でなくてもいいのかなー
 いやー水菜であってほしいなー

■なのはなのなです、と言えずいつまでも「やさいのさい」と繰り返すくち(太田ユリ)

 えと、これは、
 お題的にだいじょうぶかしらん、心配しつつとても好みの短歌です。

■春野菜すててあなたは出ていった貨物列車のひきずる町を(ふみまろ)

 うまいなぁ。

■サラダ菜のみどりのバラをひらく指 正しい母のパーツのひとつ(伊倉ほたる)

 うまいなぁ。
 サラダ菜が薔薇っていう大雑把な発想が好きです、母との対比にもなっている気がします。

■乗り越したことを誰も気づかない菜の花だけを信じていよう(ふでこ)

 爆弾もってないでしょね?
 

■横向きに歩けばみんなほほえんで村上佳菜子みたいなあした(あみー)

 今回、人名おおかったんですが、だんとつにすき。
 村上佳菜子ちゃんの笑顔はとてもいいですが、上句のあたたかさがそれを何倍にもひきたてているような。

 

008:南北

またきっと会いましょうねと手をふれば南北間のとざいとうざい(松原なぎ)


 とざいとうざいははじまりはじまり、みたいな。

 お気に入りのお歌たちです。(TB152まで)
 取り上げさせていただいた作者さま、どうもありがとうございます。
 敬称略しますことどうぞ、あしからず。

■南北にわたる春風 わたしたち明日ドレスを摘みにいきます(いさご)

 いってらっしゃいっ。

■南北のない地図持って目印の「■←ミケネコ」たよりに君んちへ行く(B子)

 うひひ、ああ、「君」とおともだちになりたいです。

■赤道で切った林檎の南北をそれぞれ俺とジョリィで分ける(理阿弥)

 おお!南北切り派ですか、国際派ですか。
 かっこいいリズム。

■自己評価低い南北境目に寝たまま立って居たい波風(久哲)

 さかいめにはどうにもよわいです。

 

007:決

とてもだいじ、おりたたまれてくったりの決意に立てるリップクリーム(松原なぎ)


 お気に入りのお歌たちです。(TB161まで)
 取り上げさせていただいた作者さま、どうもありがとうございます。
 敬称略しますことどうぞ、あしからず。
 そしてコピー&ペーストのなかで感想文がぬけましたので追記します。(0324)

■決という字をみつめればゲシュタルト崩壊起きて水と人形(ひとがた) (駒沢直)

 とけてゆくとけてゆく。

■わかったよ 初めて見たけどその顔はもう会わないと決めてきた顔(天国ななお)

 初句切れがおとこらしいです。
 二句目がせつないです。

■稲妻が世界を分かち終えるまで決して瞼を閉ざさぬように(新田瑛)

 まつげが全部ぬけちゃうからだったりしたらおもしろいなぁとか。
 

■草ばかり食んでいるから彼らには知るよしもない決別でした (斉藤そよ)

 どなどなーー

■無限と対決するために零を設けたこと。暑い夜でしたね。(青木健一)

 インド人もびっくり。


 ☆ちょっとした雑談☆

 さいきん感想文にしてもつたなすぎる一言感想ばかりです、まつばらです。
 だってさくらがピンクなんですもの!

 春の夜の狂乱ももうすぐです。

 

006:サイン

温室のむこうの雨に弛緩してゆく街のあかりとハートのサイン(松原なぎ)

 お気に入りのお歌たちです。(TB163まで)
 取り上げさせていただいた作者さま、どうもありがとうございます。
 敬称略しますことどうぞ、あしからず。

■見逃したサインを確かめるように昨日の夢のつづきを探す(南野耕平)

 みつかったかな?あやふやだ。

■サインなき手紙のやうな海のいろ肋骨の下がまた痛み出す(行方祐美)

 きゅっと、しんぞうが。
 海からはいつもお手紙をもらう気がします。

■ひとりでは居られぬ夜に手作りの婚姻届にサインをしている(壬生キヨム)

 ドラマでしか見たことないけどけっこうパシャパシャの紙ですよね婚姻届。
 あいあいがさでいいじゃん、なんておおざっぱなわたしです。

■指が笑う、とんとん、言葉がとん、サインランゲージがとん、踊っているよ(すいこ)

 おどりましょ!

■唐突に断ち切られては雨曝し誰がサインをしたわけでなく(瀬波麻人)

 だれも悪くないのに花は枯れるし冬はゆきます。
 被曝、にまで思いをはせるのはちょっとうがちすぎ?

■(ねむそうな世界に送るささやかなサインのように)鶏卵を割る(村上きわみ)

 たまご!せかい!
 すてき!

■砂浜でサインを拾う海深く誰かの吐いた銀の水泡(ふでこ)

 海からの手紙をまたひとつ拾ったようでうれしくなりました。

■ブイサインのままに落ちた手袋は必ず主の所に戻る(リンダ)

 ひとの手が落ちてるようにみえてぎょっとするのよーー。
 わたしには手袋なくす癖あります、どの子もブイサインじゃなかったのね。
 かなしい。

 

005:乗

笹舟を乗っとっちゃった蟻でした海になるまで帰っておいで(松原なぎ)


 お気に入りのお歌たちです。(TB169まで)
 取り上げさせていただいた作者さま、どうもありがとうございます。
 敬称略しますことどうぞ、あしからず。

潮騒の町乗り継げばつと燃ゆるミステリアスな海のゆふやけ(みずき)

 なんてドラマな字面。

■すきなトコどこでもいいってまいったなどこに乗せよかプッチンプリン伊藤真也)

 プッチンしちゃいますか?
 いちごぷっちんですか、ふつうぷっちんですか、どこに乗せたんですか(笑)

■一周のあいだにすべての嘘きえること信じて乗り込む観覧車(富田林薫)

 うそー、観覧車ってそんな機能あったんですね!

■湖のボートに乗り移るみたいに抱きしめられて波が生まれる(藤野唯)

 いきおい!こい!はい!
 すてき!

■15番乗り場の列でバスを待つ 本当はどこに行きたいんだっけ(新田瑛)

 15番だから駅からほどよくはなれてるんでしょうね。
 バス停の列にまじるとほっとしたりします。

■ひらかれたエゴン・シーレに右頬を乗せてまどろむ忌明けの母は(理阿弥)

 新聞読んでるうちにねちゃったのかしら(画集だとおもいよ!)
 生活のなかのそっとしたサスペンス。

■許すこと選んだひとを乗せてゆく湾岸線に虹のあしあと(ふみまろ)

 さようならさようなら、言い足りない事ばかりです。